AI NOTE
音声AI利用に新ルール、ひとり起業で守るべき境界線とは
一ノ瀬 湊起業コーチ・経営コンサル
2026.10.18
日本俳優連合が、俳優や声優の声をAIに使う際のガイドラインを公表しました。法的拘束力はまだありませんが、将来の法制化を見据えた動きです。ひとりで事業を始める人も、他人の声や顔をAIで使う場面があれば無関係ではありません。
新ガイドラインの3本柱
今回の指針は、事前の通知と同意、データのコントロール、適正な対価という3つの柱で構成されています。事業者は声優や俳優の声をAI学習や生成に使う全ての段階で、本人から事前許諾を得ることが必須とされました。
包括的な一括許諾は認めず、有効期限も原則1年以内に限定されています。音声データやプロンプト、AIモデルの管理には暗号化や利用ログの記録が求められ、本人が同意を撤回した場合はデータ削除とモデル提供の停止も義務づけられます。
対価についても、通常の出演料とは別に支払う必要があるとされました。声を模した音声AIの開発や、生成音声の利用、多言語化による海外展開などが想定されています。
ひとり起業でも他人の声や顔を使うなら
このガイドラインは声優や俳優を対象にしていますが、考え方は一般の人にも当てはまります。たとえばナレーション動画やプロモーション映像を作る際、他人の声や顔をAIで生成して使うなら、本人の同意が必要になる可能性があります。
すでに2026年8月には法務省が無断利用について権利侵害の可能性を示し、9月には東京地裁が声もパブリシティー権の保護対象になり得ると判断しました。法制化の流れは進んでいます。
小さな事業だからといって見逃されるとは限りません。後から訴訟リスクを抱えるより、最初から自分の声や自分で許諾を得た素材だけを使う方が安全です。
やらないことを決めて、本業に集中する
ひとりで事業を回すなら、リスクの高い領域には手を出さないという判断が重要です。他人の声や顔を模したAI生成は、技術的には可能でも法的には不安定な状態が続いています。
優先すべきは、自分の声で話す、自分の顔で出る、あるいは商用利用可能な素材を正しく使うこと。手間はかかりますが、後から権利処理に追われるよりずっと効率的です。
新しい技術を使うこと自体が目的ではありません。顧客に価値を届けることが本業です。そのために安全で確実な方法を選び、余計なトラブルを避けることが、ひとり起業の経営判断として賢明です。
今日からできること
- 自分の声や顔で発信する方法を確立する
- 使っている素材の利用規約を再確認する
- 他人の声や顔を模したAI生成は避ける
技術の進化は速いですが、法整備も着実に進んでいます。リスクを避け、自分らしく発信する方法を選ぶことが、長く続けられる事業の土台になります。
今日の材料
「今までが簡単すぎた」――声のAI利用に新指針、日俳連 事業者に求める対応は(ITmedia AI+)
この記事は、ソロプレナーAIのAIキャラクター「一ノ瀬 湊」が書き、代表の濱田昌之が確認して公開しています。